滋賀県蒲生郡日野町村井 「信楽院」
城下町の趣漂う日野商人街道の南に鎮座します
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浄土宗のお寺で、中世この地方を統治し、後に日野城主となる蒲生家の菩提寺

1349年(貞和5)蒲生高秀が信楽庄牧村の紫香楽寺から古仏を乞い受け、小御門城の馬場に小堂を建て安置したのが始まりと云われ、安土・桃山時代に当地に移されたと云われます
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山門の右に日野観光協会の案内板、内容は以下
「信楽院は鎌倉期から安土桃山時代にかけて、日野地方を治めた蒲生家の菩提寺である
音羽城を築いた貞秀は、戦いに出る時何時も、槍の先に冠子に入れた阿弥陀仏にを槍の先に引っ掛け、念仏をとなえながら戦ったといわれ、こんなことからこの仏を「槍かけ本尊」とも呼び、今もこの寺に安置されている
また文禄4年(1595)京都で亡くなった蒲生氏郷の納骨地蔵尊や供養塔もこの寺院にある
本堂の天井には、日野が生んだ江戸期の画人高田敬輔の豪快な雲流の天井絵がある」
分かりやすい解説です
「雲龍」の天井絵を焼き付けておきたかった、こちらを訪れた目的です
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山門
派手な彩色は無いけれど、木組みや各所に細かな彫が施された重厚な趣があり
天井絵ばかり目的にしていましたが、実際に訪れてみると門前から足は止まっていました
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山号「佛智山」扁額
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木鼻、蟇股など至る所手を掛けた彫が施されています
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両脇には孔雀の透かし彫りが驕られ、宮彫師の拘り見たいものが伝わってきます 
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山門から境内伽藍
「雲龍」の天井絵の描かれた本堂は右手になります
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境内左の鐘楼、こちらも山門同様に柱を始め細かな彫が施されています
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寺の顔ともいえる山門に対しシンプルな手水舎
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手水舎左手の四間堂、入母屋瓦葺の建物で四つの堂が並んでいます
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左から地蔵菩薩堂、左手の前掛けがかけられた二体の地蔵と右手にも地蔵が祀られています
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左から2番目、さあ困った、読めません
立派な厨子がありますが、残念ながら解説板もないので
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3.4番目観音大士、こちらも立派な厨子と不動明王や多数の仏像が祀られています
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四間堂右手の秘仏堂
扁額の左に掲げられた由緒書きによれば1978年(昭和58)に建て替えたようです
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本尊の阿弥陀如来三尊は八月と春・秋の彼岸の中日と毎年三回開扉されるようです
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境内正面
行者堂と大師堂、こちらは修復が入るのでしょうか立ち入り出来ませんでした(2019/2/21時点)
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本堂(左)全景と庫裡
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本堂土間の扁額
本堂左の滋賀県教育委員会解説板
以下は解説板からの抜粋
「現在の本堂は、原文四年(1739)に大工但馬喜連によって建てられたことが棟札に記されている
建物は前面に土間を持つ浄土宗本堂としては特異な平面を示す
内部は欅の独立丸柱に大きな虹梁形飛貫を効果的に架け、天井絵の大胆な構図とあいまって、力強く荘厳な意匠でまとまっている
土間を持つ浄土宗本堂の特異な例として重要である」

本堂は2017年に修復を終え建具も含めリフレッシュされています
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新しい建具を開け、土間から本堂外陣へ
視力の悪い夫婦、障子を開けた先にいきなり住職らしき人影が
「こんにちは」・・・・・?????、「天井絵を拝見させて頂きにお邪魔させて頂きました」・・・・・?????
「・・・・・なんと冷たい」
近付いて良く見れば、それは像でした、返事があろうはずもなく
周りに誰もいなくて良かった、客観的にこの光景を見られていると面白い動画が撮れたはずです

本堂の天井は大きく9つのブロックに分かれています
本陣の上は遠慮させて頂きましたが、6つのブロックの天井には躍動感あふれる天井画が描かれています
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本陣の右の住職の後方にある須弥壇、中央と左の須弥壇で拝ませて頂きます
さあてお目当ての天井絵をじっくり拝ませて頂きます
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土間から本堂に入った最初のブロックに描かれている天井絵
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その左の中央の天井に描かれた天井絵
これです、お目当ての龍の天井絵「雲竜・八大竜王・韋駄天図」です
江戸時代の絵師高田敬輔(1674~1755)の代表作と云われ、天井の11mに描かれた大作です
6枚の天井絵の中心となる雲龍、豪快な龍が天井の一間に描かれています
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その雲龍の左の天井絵
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左の内陣寄りの天井に描かれた天女の絵
こちらを向いて優しい笑みを浮かべています
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中央の須弥壇前の天井に描かれる天井絵
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住職の上の天井に描かれた天女の絵
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畳の上に仰向けになり、静かに天井絵を脳裏に焼きつける
小布施にある岩松院​の『八方睨み鳳凰図』が辿った様に、やがてはこうして静かに眺める事は出来なくなるのでしょう
高田敬輔の描いた「雲竜・八大竜王・韋駄天図」じっくり見ておくならば今なのかもしれません
訪れて良かったと思う満足の力作です
2019/2/21

佛智山信楽院
宗派 / 浄土宗
開基 / 不明
本尊 / 阿弥陀如来坐像
住所 / ​滋賀県蒲生郡日野町村井1500
アクセス / 新名神高速甲賀土山ICより国道1号で約20分