中区橘、日置神社の西隣で伏見通に接する形で正法山高顕寺は建っています
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伏見通側から見た高顕寺、夏空を背景に白い本堂が聳えている
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南側の道路に回り込むと山門の正面に三重の石塔と境内が広がります
右は日置神社の鳥居、隣り合わせです
山門右には「光明山御分身 摩利支真天」の大きな石標が建っています
光明山は静岡県天竜にあり秋葉山と並ぶ山岳霊場の一つ
火の神の秋葉に対し、水の神の光明山として信仰されるようです
その分霊がここ高顕寺に祀られている様です
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山門左に「不許葷酒入山門」の文字が刻まれた石標
……飲んでないし
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正法山高顕寺、山門や表札には派手な飾りが少ない端正な佇まい
見栄えがしないと取られるかも知れませんね
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山門から境内の眺め、庭石を配し、そこかしこに植えられた苔が印象的です
降雨のない真夏のこの時期、苔に勢いはありませんが、この庭で水を得た苔が輝く様を見たいものです
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綺麗に敷かれた石畳、夏空の下に右が本堂、左に堂が建っています
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銅葺屋根の唐破風を持つお堂、両端の反りは鳥の羽ばたく様にも見て取れます
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堂内部
右に不動明王、左に大黒天らしき姿が見て取れますが…ブレブレでしたね(……飲んでないし)
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昔は木造、葦葺の本堂、幾度かの補修・建て替えを経る
現在は屋根は瓦葺、白いコンクリート造りの本殿に変貌しています
左が本堂、右側が庫裏、寺務所の伽藍、更に右は白い塀を境に日置神社と接しています
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正法山高顕寺
もとは清州の護国山東輪寺として永安寺の末寺であった、開基は孝國順天
慶長遷府の際に現在地に移転、一時は大破するも1681年(天和3)に本堂を再建
1689年(元禄2)、尾張藩主光友の命により万松寺の末寺へ、1693年(元禄6)現在の寺号に改め開山
本尊は木造聖観世音菩薩坐像で他に木造千手観音菩薩坐像、開山卍室木像、十六羅漢木像等
本堂両脇の柱には、さりげなく三つ葉葵の寺紋も入ります
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生憎本堂内で拝むことは出来ませんでした、ガラス越しに堂内の眺め
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本堂から眺める境内全景
コンパクトな庭園です、苔の勢いがいい時期に訪れると新たな発見があるかも?
また、境内は複数の手水鉢や石仏もあり、これを見ていくだけでも面白いと思います

大正の頃に記された「名古屋市史」の中に「堂宇は本堂、秋葉堂、庫裏、門」と記されています
先ほどの堂は秋葉堂ということでしょうか?
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真夏の真昼間、境内は陽当たりが良く遮るものは少ないです
水蓮鉢の水草と朝顔がひと時の涼しさを与えてくれます

などと書いては見たものの、暑い! 日置神社の杜で涼む事にします
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日置神社拝殿横から神楽殿と壁を隔てた高顕寺の眺め
さながらベルリンの壁の様相
神楽殿を正面から見れば違和感を感じ得ません
しかしこの位置から見るこのフォルムに違和感を覚えます、何があったのか気になるところです

それにしても暑いゎ 大須で一杯ひっかけよう
……結局飲むし

正法山高顕寺
宗派 / 曹洞宗
創建 / 1693年(元禄6)
本尊 / 聖観世音菩薩坐像
住所 / 名古屋市中区橘1-3-23
アクセス / ​市営地下鉄名城線 上前津 下車徒歩15分程