名古屋市南区菊住 『秋葉神社』

山崎川に架かる新瑞橋を南に渡り山崎川左岸の堤防道路が続きます。
この道路沿いには、それこそ各町内毎にお祀りしたの?と思うくらい秋葉神社が点在します。
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 菊住の『秋葉神社』もそう感じさせる一つ。
神社付近の上流方向の新瑞橋の眺めは両側にコンクリートの堤防が築かれ、さらに擁壁が延々と続いています。
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 下流の師長橋方向の眺め。
この辺りは南から続く笠寺台地の北の外れ、古くは海岸線も間近に迫っていた頃もある、やがて新田開発により護岸を伸ばし、それにより海岸線は彼方へと遠ざかって行きます。
それは山崎川と人の関わりの始まりでもあり、川は時に災いをもたらします。
その結果が現在の長大な堤防に至っています。
味気ない三面コンクリートに対し、この辺りは両岸に葦が生い茂り個人的に好きな光景。
葦原は野鳥や水辺の生物にとっていい環境、水質の改善にも一役かってくれる。
穏やかな表情を見せる山崎川も、近頃の異常気象による短時間でとんでもない雨が降る状況だとスムーズに雨水を流すという面では葦は妨げになりかねない、まさに葦悪し。
普段の水位ですら周辺の民家の一階部分と同レベル、天井川と呼ばれる川の特徴です。
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 神社に話を戻して、秋葉神社が鎮座するのは、新瑞橋と師長橋の中間の左岸堤防脇にあり、地下鉄新瑞橋駅から歩いても5分ほどの住宅地の中にあります。
左岸堤防道路から一本南の道筋に間口の狭い社頭があり、通りから見通しても存在は分かりづらいかも知れません。
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 両側を民家に挟まれた一画が菊住の『秋葉神社』
鳥居や狛犬はないけれど、小さな境内ですが綺麗に手入れされています。
参道の先に高い台座が作られ、そこに社が二つ祀られています。
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 境内に入った左に手水鉢があり、社後方の堤防道路に続く石段があります。
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 石垣が高く積まれ、その上に二社が祀られています。
閉ざされた扉の縦格子、その先端の羽根団扇の飾り以外に秋葉神社を主張するものはないようです。
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 社名札は掲げられていませんが秋葉神社と恐らく熱田大神を祀っているものと思います。
この秋葉神社の創建などの詳細は不明。
近隣の秋葉神社と同じ時期に火伏、災い除けとして祀られていったのではないかと思います。
社の後方に小さなお堂があるようなので後方の堤防道路に回り込んでみました。
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 堤防道路から見た秋葉神社と堂全景。
中には一体の石仏が安置されていました。
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 象の左右に文字が彫られているようで、左は文政、右に青と彫られている様に見えなくもない。
前掛けを上げるのは避けさせてもらって、恐らくは文政は元号、青峯山と彫られているのではないだろうか。
青峰観音で調べていると南区で「青峯山観音」について以下の様に触れていました。
「青峯山観音菩薩像は、南区の村々が海に面していたころ、舟が出入りする舟江付近や新田の堤防上などに幾つも祀られていました。
青峯山とは三重県鳥羽市にある正福寺の山号で、御本尊は十一面観音菩薩です。海の安全を祈願し水難防止として人々に崇拝されてきました。現在は、神社や寺院に移されているものが多いです」とある。
青峯山観音堂ということなんだろう。
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 尾張名所図会にここから少し下流の山崎橋の様子が描かれていたので掲載しておきます。
南区の紹介にある様にこの観音様もその一つなのかも知れない。

天井川と延々続く河川堤防、その周辺に広がる住宅地、この辺りは水難と火災の災いから無縁という訳にはいかないようです。
綺麗に手入れされた神社や生花が手向けられた観音様はそうした事からでしょう。

南区菊住「秋葉神社」
創建 / 不明
祭神 /  不明
住所 / 名古屋市南区菊住1-1-6
公共交通機関アクセス / 地下鉄名城線「新瑞橋」駅下車、徒歩約5分程

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