春日井市大留町『子安神明社』

天王山古墳から庄内川右岸堤防沿いに歩いて5分程上流に向かいます。1
堤防に上がり上流を眺めれば対岸は東谷山、左に高蔵寺も視界に入ってくる。
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この辺り、現在は住宅が立ち並び更に広がりを見せていますが、1546年(天文15)頃は足利義輝配下の村瀬氏の領地、この地には大留城が築城され、村瀬作右衛門が城主となり篠木荘一帯を治めていた。
『子安神明社』は庄内川右岸堤防北側、大留城二の丸跡に鎮座しています。
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城は1584年(天正12)の長久手合戦で作右衛門の討ち死により廃城となり、現在は城の痕跡は本殿後方に空堀らしき痕跡?が残る程度。
通り沿いに子安神明社の新旧の社号標が建ち、参道の先に鳥居を構えています。
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参道に入ってまず目につくのが大きなクロガネモチの樹、その下に小高く盛られた上に建つ赤い社。
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社は社名札がなく詳細は不明、右の石標は社号標かと思っていたけれど『大留城趾』の石標。
嘗てここに城があった事を伝える唯一のモニュメントかも知れない。
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参道は左に曲がり奥へと続き、そこに鳥居が建てられています。
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右に手水舎、鳥居の先に蕃塀と拝殿、本殿の伽藍の様です。
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個人的にこの辺りで舟型の手水鉢を見かけるのは珍しい。
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鳥居の先でドーンと蕃塀が構える。
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鳥居方向の眺め。
蕃塀左の樹の根元に何か石標らしきものがあります。
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水神社
張り出した根の勢いで石標も傾いてしまっています。
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蕃塀の先に四方吹き抜けの切妻瓦葺の建物は舞殿?それとも拝殿?
よく分からないのでここは舞殿としておこう。
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吹きっ晒しにしては綺麗な床、舞殿から拝殿の眺め。
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石垣が積まれ一段高いところに神殿域、手前で狛犬が守護している。
向拝が付けらた切妻妻入の拝殿のようです。
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狛犬、強調された吽形の目が印象に残る、出目金ならぬ出目狛。
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拝殿、本殿の全景、右側に複数の石碑が建てられている。
本殿後方と右側に僅かに城の空堀らしき名残が残る。
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拝殿内から本殿の眺め、社名から推測すると祭神は天照大御神。
創建となるとさっぱりわからない。
鳥居は大正の元号が彫られていましたが、1891年(明治24)の地図でここに鳥居の印が記載されているのでそれ以前である事は間違いない。
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渡廊から本殿。
本殿域右側、本殿右に板宮造の小さな社があるようですが、詳細は不明。
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拝殿の左側、左に猿田彦神社と本殿域にも一社祀られているようです。
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玉垣から続く塀の端に陶器の小さな狛犬。
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本殿左の三本の鰹木と内削ぎの千木が施された社、こちらも社名札はなく詳細が分かりません。
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本殿域右の石碑群は霊神碑、御嶽神社です。
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東側から境内の全景。
ここに城があった、そんな面影は感じられません。
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神社南側、この土手の向こうは庄内川が流れる。

『子安神明社』
創建 / 不明
祭神 / 天照大御神
住所 / ​春日井市大留町6丁目20-8
公共交通機関アクセス / JR中央線「神領」駅下車、​「大留神明社」、「天王山古墳」経由で徒歩30分
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『大留城趾』
築城 / 1546年(天文15)
廃城 / 1584年(天正12)
城主 / 村瀬作右衛門