指宿温泉郷から車で国道226号線を西へ、周囲は碁盤の目の様に区切られた一面畑の風景が広がります。
その光景の主役は単独峰開聞岳。
薩摩半島南端に聳え、標高は1000㍍に満たないけれど、その姿から薩摩冨士とも称されます。
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指宿温泉郷から20分前後国道を走って左折するとその先に指宿-枕崎線の線路が現れます、その手前を右折し「かいもん市場 久太郎」が見えてくれば『西大山駅』はその向かい。
ここが所謂駅前で商店街はこの「かいもん市場 久太郎」が唯一の施設、ここには黄色いポストの絵ハガキや西大山駅の到着証明書などが販売されています。
秘境駅ブームで盛り上がっている頃は観光バスも訪れ、開聞岳を望む長閑な田園地帯の無人駅に観光客が溢れるようです。
写真は駅前商店街の店先で見かけた絵馬掛け?
絵馬には縁結び、子宝、家族の健康など多くの願いが書かれています、一際目を引いたのが「ワクチンを作り、皆を健康にするぞ!」と書かれた頼もしいものもありました。
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 JR日本最南端の指宿枕崎線『西大山駅』
12月下旬頃から駅周辺の畑では菜の花が一面咲き誇り黄色の田園地帯にポツンと佇む無人駅と背後に綺麗な稜線を描く開聞岳を望む雄大な光景が見られるそうです。

菜の花は指宿の「市の花」という事、駅前のレトロなポストも菜の花の黄色、「幸せを届ける黄色いポスト」と呼ばれ今でも現役です。
かいもん市場で買い求めた絵葉書に願いを書き留め投函するとそれは叶うそうな。
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 駅前にある「幸せの鐘」幸せを祈り、願いの数だけ鐘を鳴らすそうです。

西大山駅は鹿児島県最南端でJR日本最南端の駅で駅舎はありません。
1960年の開業以来日本最南端の駅として売っていたけれど、2003年に沖縄のゆいレール(モノレール)開業に伴い日本最南端の駅の称号は明け渡す事になったそうです。
しかし2004年に「JR日本最南端の駅」に表記を改め、「最南端」の面目を保ったようです。
おやじ的には「長閑な光景の中に雄大な開聞岳が美しく望める無人駅」これで十分魅力的だと思う。
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ホームから眺める線路はひたすら真っ直ぐに続く、普段見る線路とは違い伸び伸びしている。
この駅に電車が来るは朝昼晩、こうして写真を撮ってはいるけれど時間に関わらず訪れる人は多い。人気スポット。
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お目当てはこの光景、雄大で美しい稜線を見せる開聞岳を遮るものなく見ることが出来る。
「JR日本最南端の駅」の柱の横で開聞岳をバックに其々が思い出を刻む。
無人駅の無人の姿を撮るチャンスは意外に少ないのかも、それにしてもこの解放感のある景色は訪れて良かったと思わせるものがあります。
菜の花で一面黄色に染まるには少し早かったけれど、訪れた時は冬間近とは思えない程温暖で気の早いものはこの時期に咲き始め、冬を飛び越えて季節感は春を感じさせるものです。
伸び伸びとした土地柄と温暖な気候は街にはない人も育むのかも知れない。
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翻訳のいらないお国の言葉とはっきりした指示に従い、コロナが終息した暁には、のんびりと電車か車中泊で訪れたいものです。
2020/11/25

指宿枕崎線 『西大山駅』
住所 / 鹿児島県指宿市山川大山602
指宿温泉郷から西大山駅までのルート