名東区神月町に鎮座する曹洞宗『月心寺』
道路1本隔て北に出来町通り、周囲は住宅街、保育園が隣接します
保育園の横に寺号標が建っています
月心寺境内へは保育園の横から参拝する事になります
目の前の石段の先には山門がそびえています
見上げると屋根の緩やかな勾配はあたかも鳥が翼を開いたかのようです
山号の松嶽山と記された変額
山門は定光寺山門建て替えの際に解体した古いものをこちらに移築し
月心寺山門としたと言われ
その後、昭和に入りオリジナルを基に建て替えられたものらしい
久我龍胆の紋が施された山門の重厚な扉の先には本堂が迫ります
境内左には鐘楼とその奥に見えるのは観音堂
保育園の園庭で戯れる子供達の声とは裏腹に境内は静まり返っています
境内から本堂の全景
濃尾地震で倒壊、昭和に入り二階建てのコンクリート造りに建て替えられた
月心寺
宗派 / 曹洞宗
創建 / 不明
1662年(寛文2)に東春日井郡大永寺の末寺となり、猪子石城跡のこの地に創建と言われています
本尊 / 阿弥陀如来像
本堂を斜め横から見ると二層構造である事が分かります、本殿西側は墓地へとつながります
本堂の破風飾りと喚鐘
山門左の鐘楼、梵鐘の表面には羽衣をまとった天女らしき彫が見えています
観音堂
江戸時代以前に既にこの近隣にあったと伝えられ「蓬萊の観音」と呼ばれ親しまれてきた
現在の蓬来小学校付近に八剱宮と供にあったものを1885年(明治18)移転した
本堂から境内、その先(南)に住宅が広がり、その先には香流川が流れます
少し東にずれていますが昔は右のような風景が広がる地域( 尾張名所図会、猪子石)
拝殿右の香流弁財天堂は昭和に入り新たに建てられたもの
馬頭観音
現在の引山付近の山口街道に祀られていたものをこちらに移転したものと云われる
難しい顔つきをしていますね、もう少し力を抜いて見ましょうか
境内西に参拝者駐車場が整備されています
駐車場から鐘楼堂に向かう右側に標柱があります
「従是西南御留場」と読めます
名東区の紹介によれば
「もともと矢田川左岸の堤防上に立てられていたものでかつて矢田川と香流川の合流点あたりの河原が
藩の大砲(おおづつ)の演習場になっていたため、いわば立ち入り禁止の立て札」とある
(現在の名古屋市猪子石焼却場付近と思われる)
御留場の意味を辞書で調べ素直に読むと
「これより西南は将軍家狩猟場または月心寺が狩猟・漁猟を禁じる」とした
立ち入り禁止を促すための道標となりますが、いずれにせよこちらに移設したと思われます
伽藍は昭和に入り形が出来上がったものの
猪子石の地名の謂れを知る歴史を持つ月心寺です
住所 / 名古屋市名東区神月町604
℡ / 052-771-6101
アクセス / 市営基幹バス2栄⇒四軒家 猪子石西原下車徒歩5分程